黄山に響く日本語

11 月3

中国には こんな ことわざ があるそうです。

「五岳より帰り来たれば、山を見ず、黄山より帰り来たれば、五岳を見ず」

中国の最も美しいといわれている5つの山、 五岳を見たならば

他の山を見る必要はない

それより 先に 黄山をみたならば

五岳を見る必要もない。

それだけ 黄山は 珍しい景観 名勝の 集まった美しい山なのだ

と言う意味なのだそうです。

「黄山に登れば、他の山には登らなくて良いんだぁー♪」

という事で 今回の旅では 世界遺産 黄山に挑戦しました。

旅の友は

上海>ネパールを電車で

いったり きたり そしてまた いったり

しながら仕事をしている Chen君です。

まだ22歳ですが

私よりもはるかに しっかりしていて

生きる知恵を豊富に携えている

旅の大師匠☆

何よりも尊敬に値するところは

私のような明らかな お荷物をかかえて

黄山に登ろうと思えた その勇敢さ。

本当に怖いもの知らずだなぁ。

「まず 靴ひもを しっかり結ばないと駄目だよ

これは すごく 大事」

そう言って、まずは靴ひもの結び方を教える姿に

何とか、この へなちょこ日本人を頂上まで連れて行くぞ!

という意気込みを感じました。

はい!頑張って着いてゆきます!!

さすがは世界遺産

黄山の登山路は 登りの人 下りの人がひしめき合っていて

時々、西洋人の旅行者も見かけました。

日本の山では すれ違う人に

なんともエレガントに 

「こんにちは」

と挨拶したりしますが

こちら中国では

「走! 走! 走! 走!」

(行って 行って)

「加油 加油」

(がんばって)

と声を掛け合いながら登ってゆきます。

危うく 二足歩行から四足歩行に 

逆戻りしてしまいそうな急な階段を7時間。

なんとか 日没の時間までには 頂上につかなければ

というプレッシャーもあり

かなり急ぎ足で 

ひたすら ひたすら 

走! 走! 走! 走!

疲れた時には

トマトや きゅうり リンゴなどを齧ります。

ゴクゴクお水を飲んでしまうよりも

果物や野菜で水分を補ったほうが

疲れにくいのだそうです。

そんな旅の大師匠のご指導を英語で受けていると

近くにいた 中国人のおじさんたちが

「お嬢さん、どこから来た人??」

と、いつものように・・・

「日本から来ました」

そう言うと

にやーっと 笑って

「バカーッ!!」

・・・この無邪気な

「バカーッ」 にも そろそろ慣れてきた私。

中国で人気なのが

大戦中の

中国人の英雄を扱ったドラマです。

そこに出てくる悪役日本兵士は

なぜだか中国語ペラペラなのですが

怒ったときにだけ 

「バカーッ!」

もしくは

「バカヤロウー」

と日本語で叫びます。

という事で 中国でもっとも知られている日本語は

「こんにちは」 でも 「ありがとう」

でもなく 

「バカーッ」

なんだか残念な話ですが

あまり 気を悪くしてしまわないほうが良いかも。

こちらが笑顔で受け答えれば

「バカヤロウ」

も 立派な国際交流 友情のはじまりになります。

さて 頂上まで あとちょっと

黄帝という王様が ここで

薬草を調合して 仙人になった・・・という伝説から

黄山と名づけられたこの山は

確かに・・・ふと

険しく切り立った山の陰から

仙人が顔を出しそうな

神々しい雰囲気を携えています。

山水画などでおなじみの この景観

てっきり 遠くから眺めるものだと思っていましたが

まさか、登ることができるとは・・・

頂上を目前にしても なお 信じられない。

と、この神聖な山の頂から 何やら聞こえてきました。

誰かの叫び声が 美しい峰に こだましています。

よくよく耳をすませると

それは

「やっほー」

でもなくて

「ニーハオ」

でもなくて

「バカーッ」

でした。

山頂から こちらに手を振っている

さっきの おじさんたち。

私も親愛をこめて

「バカーッ!」

と叫びかえしたかったのだけれど

最後のピークに差し掛かった私は

声を出す元気もなく・・・

力なく 手を振り返すのみでした。

頂上にたどり着いた時には

ちょうど 夕日が 空を赤く染め始めた頃。

この美しい夕日を見るときには

さすがに いつも大騒ぎの中国人も 

無言になってたなぁ。

美しさとともに

静けさにも感動した

黄山の頂上。

赤い夕日に照らされているChen君は

なんとかこの へなちょこ日本人を 頂上まで連れてきたぞ

という達成感に満ちているように見えました。

そういえば このChen君に 

一番初めに言われた日本語も

「バカヤロウ!!」

だったなぁ。

中国で学んだ事

靴ひもはしっかり結びましょう。

「バカーッ」は中国流の日本人への挨拶です。

笑顔で答えれば、友情が芽生えたりします。

Email will not be published

Website example

Your Comment: