ウェルカムカラー
「こういう服っていくらくらいするんですかー?」
と 聞くと
攻めてる髪型に見合わず
とっても礼儀正しい青年は
「 あ・・・ニッカのことですか・・・ピンキリですけど
安いのだったら2000円くらいでありますよ」
との答えてくださいました。
学校を色で楽しくしよう!プロジェクトの初日は
保健室のペンキ塗り。
ダンディーで、身のこなしが軽やかな校長先生と
鳶服のペンキ屋さんのお兄さんと
姉と私の4人は
朝の10時から夜7時くらいまで、異様な集中力と共に作業を進めてゆきました。
実際のところ、塗ったのは 油性のペンキではなくて
水性アクリルです。
私はアクリルという画材についてその時まであまり知らなかったのですが
ひとまず 嫌いじゃない感じのケミカル臭。
油彩に似た表現ができるにも関わらず
ペンやマーカーみたいな 位置に置いておけるというのは
手軽で良いですね。
さすが便宜性にこだわって開発されただけあります。
色の調合はあんまり得意じゃないんです・・・
と言っていた鳶服の青年に
「もうちょっと赤を入れて・・・あ・・・やっぱり白を少し足して・・・それから
ここに黄色を入れたらどうなるか見せてもらえますか?・・・」
と 散々注文をつけながら仕上がった色は
壁全体に塗る淡いピンクと
柱などのパーツを彩る濃い目のペパーミントグリーン。
それからアクセントのための
チョコレートっぽい色合いのダークブラウン。
当初、保健室は淡い緑を想定していたのですが
現地に着いてみて
緑の壁では子供の顔色が悪く見えてしまう・・・
という事に気がつき
急遽、暖色系を持ってくる事になりました。
ドアを開けてすぐのところには
ペパーミントグリーンの柱があって
その柱とピンクの壁の コントラストが
ウェルカムさを演出しています。
やっぱり 色っていうのは 1色では 何も語れないけれど
コントラストによってコミュニケーション能力を高める性質があるようです。
保健室の入り口を 行ったりきたりしながら
「うわー!!これは良いわぁー」
「めっちゃ 歓迎されてる感じがするー!!!」
と大はしゃぎの私たちでした。
色の力に感動しきった4人は
当初の壁を二面だけ塗るという予定を大幅に変更
部屋全体の壁から家具にまで手をつけ
校長先生に至っては
暖房の入っていない 別の教室に行って ソロ活動をしていらっしゃいました。
「先生、やっぱり今でも元気ですね・・・」
ふと作業の手を休めて
そう言っていた 鳶服の青年は、小学校の3年間
校長先生が受け持っていたクラスの生徒だったのだそうです。
私も正直、校長先生の元気さには感銘を受けました。
日も暮れて 山間部の学校の気温は氷点下。
だけれど 鳶服の青年の努力によってできた 淡いピンク色は
保健室の壁の上に気持ちよく納まって
その場の空気を温かくしていました。
やっぱり
子供たちには こんな色合いの元で生活して欲しいなぁ・・・。
色だけでも充分素敵になったので
絵はいたって シンプルなものでも良いかも。
これからいくつか図案を考えて
試作を作って
それから 壁画の作業当日には
ピカピカのニッカを着て
保健室に出向こうと思います。
