永遠の夏
「岸田さんの 小説、 Amazonで注文したんだけど
在庫切れみたいでした。
本当に本当に残念。」
岸田さんへの年賀状には
そんなふうに書き添えました。
岸田さんと初めてお会いしたのは
大阪の動物保護施設でボランティアをした時。
いつも穏やかに微笑んでいらっしゃる姿が
とっても印象的だったのを覚えています。
1度 岸田さんのお宅で 鍋をご馳走になった事があって
その時に 本棚に岸田さんの著書を見つけたのです。
「小説を書いておられる方なんだぁ」
そう思って本を手に取ったものの
後で買って読もう・・・と ページを開かず本棚に本を戻しました。
それから インターネットで 岸田さんの本を探すも
ことごとく在庫切れ。
美しいものというのは
早く過ぎ去ってしまったり
なかなか出会えなかったりするものですね。
半年以上経っても見つからず
手に入れるのを あきらめかけていたその時
岸田さんの小説「永遠の夏」 は
年賀状にまぎれて
送られてきました。
送り主は 岸田栄さん。
著者、本人です。
同封されていた 犬のイラストのポストカードには
「出版社がつぶれてしもうてからに
作家は えらい 迷惑してますー。」
と書かれていました。
なるほど それで 流通が止まっていたようです。
「PS ヒロインの名前が ゆかりさん なのは 奇遇ですね。」
この小説の主人公の少年が恋に落ちる
国語教師の ゆかりさん。
彼女は
年齢も私と同じくらいで
名前も同じ。
性格も 感情も
なんとなく 似ていて・・・
ようするに 私のような人です。
きっと ゆかりさん は 私と同じような
悩み や 混乱 危うさ を抱えながら 生きている人なんだろう。
そう思うと なんだか 切なくて
それと同時に
そんなゆかりさん に想いを寄せる少年の
まっすぐさが 心に響きました。
以前お会いした時、岸田さんは
「実は、まだ 出版はされていないんですけど
もうひとつ 小説を書き上げたんです。
作品を生み出したものの 責任として
これを なんとか なるべく多くの人に
読んでもらえるようにしなければなりません・・・」
と おっしゃっていました。
岸田さんは 小説を
「作っている 」
のでは なくて
「生み出している 」
んですね。
だから それは 人の手に 心に 渡らなければならないんだ・・・。
さて、
新年の朝の清らかなプレゼントに
私は 何をお返しすれば 良いだろう・・・。
外には雪がまだ残っていて
北風が時々窓を揺らします。
夏の一冊のお礼には
何か
冬の一片を 送りたい。
とびっきり まっすぐな 創作を・・・。

はじめまして。岸田栄さんの『永遠の夏』について調べていて、ここにたどりつきました。
私は、東京都の白梅学園高校の司書をしております。内野陽子と申します。
私どもの図書館の蔵書に『永遠の夏』があり、生徒から、一番いいページが抜けていると
報告がありました。確認してみると、115ページの次が110ページになっており、116ページがないのです。都内の図書館でこの本を蔵書している館もなく、絶版で、出版社自体がなく、この本だけがそうなのか、初版1刷はどの本もこうなっているのか分からず、作家さんご本人に確認できればと思い、インターネットで検索してみたのですが、他の著作もないようで、岸田さんとお知り合いのゆかりさんにご迷惑かと思いつつ、こうしてメールしている次第です。
ゆかりさんの持っていらっしゃる『永遠の夏』に116ページは存在していますか?
もし、116ページがあるようでしたら、何刷のものか教えていただけたらありがたいです。
それでは、長々と失礼いたしました。
白梅学園高等学校図書館 内野陽子
はじめまして。お返事が遅くなってしまいすみません。
現在、中国におりまして、実家にある書籍の確認に、時間がかかってしまいました。
わたしが持っているものは、1刷のもので、116ページはある、との事です。
もし、岸田さんに連絡なさりたいのでしたら、わたしのほうから、伝言というかたちもとれますが、いかがですか?・・・ただ、わたし自身、岸田さんのメールアドレスなどを知らないために、手紙での連絡になってしまいます。時間がかかってしまいますが、それでもよろしければ、ご協力します。
では、お返事お待ちしております。
お返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません。
岸田さんから『永遠の夏』が送られてきました。
連絡してくださいまして、ありがとうございます。
とても感謝しております。本当にありがとうございました。
そうですか、岸田さん、書籍を送られたんですね。
こちらも一安心しました。
ご連絡ありがとうございました。