92パーセントの世界
母が裏庭の畑にしゃがみこんで、首をかしげていました。
水菜の苗の間から、植えた覚えのないカボチャの芽が出てきたのだそうです。
「それから あれは・・・きゅうり?」
と言って指をさしたナスの苗の少し横にも
小さな苗がすっと立っています。
カボチャとキュウリ
そして
この絶妙な間の感覚・・・
もしかして・・・。
「お母さん、肥料は何を使ったの?」
「何って、こないだビルちゃんのお部屋から持って帰った・・・」
カボチャを種ごとムシャムシャしているビルの
満足げな顔が思い浮かびました。
「あ・・・お母さん、この苗 多分、今流行りの豚由来のものだと思う・・・」
カボチャの植え付けは5月上旬ですから
おそらく最適な環境の中でスクスク育っていったのでしょう。
ビルの力強い咀嚼にも
貪欲な消化吸収にも負けず
新しい場をみつけて
新しい命を芽吹いた
カボチャとキュウリ。
自然のもつ力はすごいですね。
それと
こんなに早い段階でカボチャとキュウリに気がついた母も
なかなか目ざとい☆
人間の2つの目
そこからつながっている脳をあわせても
人は、そこにある現象のうちの
8パーセントの情報しか処理できないのだそうです。
なので水菜の畑から 突如 カボチャの苗が育っていても
相当大きくなるまで
たいていの人は気がつかない。
もしくは
「いいえ、これは カボチャのようですけど
水菜を植えた畑に生えていますので
カボチャであるはずがありません。」
というふうに処理してしまう場合もあるのだそうです。
そんなふうに92パーセントの世界の奇跡を
歓迎できなくなってしまうのは
なんだか寂しい事だと思いますので
いつでも目を凝らしていたい。
世界を感じていたい
というふうに思います。
それでもやっぱり
世界はわたしが思っている以上に大きくて
その上
とても細かい細工がなされているよう・・・。
ある時は
知らない間に庭先で大きく育っていた花が
雨の中からこちらを見ているのに
驚いたり
またある時は
ふと見上げた空に
この瞬間のうちに死んでゆく覚悟で
美を描いている色を見つけて
涙がこぼれたりするのです。
きっと 何の作為もなくそこにある92パーセントの世界は
誰かに意図された情報とは比べ物にならないほど
大きな力と奇跡によって成り立っています。
今この時、この場所にも
その奇跡は
起こっているのだと思います。
(追記)
その後 92パーセントに属していた 豚由来のカボチャは
大きな力と奇跡によって
ありえないくらいの急速な成長をとげています。





