あれから1年

5 月2

R1581627
(電車から見た福島県会津若松市・会津磐梯山)

姉が遠距離恋愛中の彼氏に会うために

早朝から出かけてゆきました。

「絶対 公共交通機関で行ってね!!」

というのが姉が遠出する時に必ずかける

お決まりの一声です。

姉が東北旅行中の交通事故で

九死に一生を得てから

ちょうど1年が経ちました。

それは

恋人と2人で福島県の高速道路を走行中

運転手のわき見運転で反対車線に乗り上げ

壁に衝突するという、今考えてみても不可解な事故。

事故の連絡を受けて福島県の会津若松市の病院に飛んで

看護婦さんに案内されたのは救急救命室でした。

その時の光景を今思い出そうとしても

フィルムの真ん中が焦げ付いてしまったようになって

うまく思い出せません。

ただ、わたしがその部屋に入ると

姉が寝ているベッドの横のパイプ椅子に座っていた男性が

放心状態のような定まりきらない目つきで、こちらを振り返り

その顔に小さな傷があったことを覚えています。

交通事故を起こしたドライバーはかすり傷程度の軽傷。

助手席にいた姉は、腰椎骨折の重傷を負いました。

その日から1ヶ月の間、わたしは毎日、ビジネスホテルから病院に通い

姉の看病にあたりました。

体拭きを手伝ったり、お遣いに行ったりといった身の回りの雑用に加え

保険会社や警察署に提出する書類の作成などの事務。

とても忙しく動き回り、夜にはシャワーを浴びるのも億劫なほど

疲れきっていたのを覚えています。

だけれど今振り返ってみると

その時にわたしを追い立てていたものは

現実を飲み込んでしまうほどの勢いで迫ってくる精神的なもの

たとえばそれは、死の影のようなものだったのだと思います。

母親の介護をしていた女優さんが自殺されたとニュースで見ました。

肉体的にも精神的にも疲弊して亡くなられたのだと言うことですが

わたしの脳裏に浮かんだのは

疲れて足が立たなくなってしまった

その優しい人が

迫ってくる死の影に飲み込まれてしまわれる悲しい映像でした。

わたしが、姉の看病をしながら垣間見たその影は

1年経った今でも

余韻としてではなくて

心の中に確固たる位置を占めて残っています。

そして、それとは裏腹に、とめどなく流れてゆく月日・・・。

1年前の5月のはじめ

楽しみにしていた地元の友だちの結婚式がありました。

わたしは姉の看病のため福島から離れられず

急きょ欠席。

「今思っても悔やまれる・・・」なんて言っていましたが

そうこうしている間に

その友だちは、第一子を生みました。

とってもかわいい元気な女の子です。

話題は結婚から出産へ、そしていまや子育てに移っているようです。

姉はその時に車を運転していた男性とただ今、遠距離恋愛中。

今年には、めでたく入籍の予定です。

わたしのところでは・・・どうでしょう

1年前から飼っている黒豚のビルが

その時から比べて、3倍くらいの大きさになりました。

時がサラサラととめどなく流れてゆきます。

これほど尊い事はありません。

ありがとうございます。

姉とわたしの今一番行きたいところ

「福島県 会津若松市 」

きっと あの、ある意味とても思い出深い土地でも 

時が滞りなく流れているのかを

見てみたいんだと思います。

魔法の文字

5 月1
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