太陽と月とロクシタン

11 月4

太陽と月があれば

人生なんとかなると思うんですね。

ほんとう。

・・・という事で晴れの日のXitangの午後です。

Xitangというのは上海からバスで2時間ほど南にくだったところにある

小さな水の街です。

日本を離れ

この街で雑貨屋さんを経営するTang君

のところでお世話になっているのです。

とは言えTang君はネパールの旅行記が出版され

忙しいとか 経済的に潤ってるとか・・・そういう理由で

今は上海に住んでいるので

実際のところ

Tang君と一緒に雑貨屋さんを経営している

レイニェン君という方に それはそれは世話になっています。

ところでXitangに来る前

部屋を提供してくれる友だちのTang君に

「ほんとうに 

そんなに長くお世話になっても良いのー?

何か お礼をしないとと思うんだけど・・・。」

と言ったら

「僕は太陽と月があれば大丈夫だから

何もいらない」

みたいな事を言ったので

よくも平気な顔で そんな事を言えるなぁー

と正直思っていました。

ところが

ここに来ると 本当に

太陽と月があれば大丈夫だなぁ・・・という気がしてくるから

不思議です。

中国といえば 陰陽の図を思い出しますが

ここではほんとうに 太陽を陽として

月を陰として それをつなぐ緩やかな曲線が

頭をかすめて回転してゆくような感じで

1日が終わるんですね。

Xitangの運河を行く船が連想させるほどに

時の流れがゆっくりかと言うと

そうでもなくて

むしろ あっという間に

陰と陽がくるりと 入れ替わるような感じで

1日が終わってしまうような気がします。

住まわせてもらっている場所については

「とてもシンプルな場所だ」

というだけの説明を受けてきたのですが

つまりはトイレ付きの倉庫のようなところです。

実際 壁一面に在庫が並んでいて

そこにドカン!!と大きなベッドが置かれている感じです。

ちなみに 中国の一般家庭のベッドは

テーブル並みに固いのが常識のようです。

「昨夜、柔らかいベッドで寝たせいで体調が悪い・・・」

とか言っている人もいましたから

どうやら固いベッドのほうが健康に良いという事になっているみたいです。

実際 わたしも中国に来てから よくよく眠れていますから

固いベッドはほんとうに安眠効果があるのかもしれません。

ニュウナイちゃんという猫と暮らしています。

目の色が違う 不思議な猫。

ちなみに ニュウナイは牛乳の意味ですね。

ミルクちゃんてきな 感じの名前でしょうか。

キャットフードはもっぱらアメリカ産のもので

中国産は食べないという

なかなかグルメな女の子です。

わりと快適な生活なのですが

しいて言えば、お湯のシャワーが出ないことと

暖房器具がないのが 困った点です。

冷え込むときには4℃くらいになりますから

中国の南だから・・・といういいわけは通用しないような気もしますが

とにかく 常識的に暖房がないようです。

暖房のないXitangの過ごし方ですが

やっぱり とても太陽の陽に頼ります。

髪を毎日洗うのは 体を冷やしますから

2、3日に1回くらいにしているのですが

それも11時に仕事を終えて家に帰ってからの時間帯

陰の強い時間帯ではなくて

日中の暖かい時に 洗髪するようにしています。

洗髪だなんて、なつかしい響きですね。

わたしは けっこうキレイ好きなほうで

環境が許せば 1日に2回は シャワーを浴びたいほうなのですが

ここでは それができませんから

部分洗いというのをけっこうよくしています。

表現はおかしいですが 菌の繁殖しやすい箇所

(足とかわきの下とかそういうところですね・・・)

そういうところを ささっと洗う。

そうすると全身がきれいになったわけではありませんが

かなりすっきりします。

中国や韓国の友だちの多くが

自転車の旅を趣味にしていて

そういう人たちが

「2週間くらいお風呂に入れなかったけど

全然平気だったよ・・・」

と言うのが 以前は信じられなかったのですが

多分 この部分洗いをしているからなのかな?

と思ったりします。

この生活に慣れれば

ギリシャから中国までくらいなら

自転車で行けるかもしれません。

・・・と少しずつ 知恵を身につけて行く事で 

現実化してゆく夢というのがあります。

もう1つ 暖房のないところで体を冷やさない方法として 

手首 足首 を守る。というのがあります。 

これもまた 「部分温め」ですね。

中国人がよくつけている腕カバーみたいなのを

愛用しているのですが これまた 全身を温めているわけではないけれど

時には汗が滲んでくるくらいに 体が温まってきます。

・・・もしかしたら 中国人は

全体が部分の集合以上のものであるという事を

とても身近なところから理解しているのかもしれません。

それから こちらでは よく お茶を飲みます。

緑茶などは体を冷やしそうなイメージがあるのですが

こちらでのお茶の飲み方は

朝入れたお茶に

何度も足し湯をして 1日かけて大事に飲むというものですから

陰の強まる

夕方くらいにはおそらくお茶風味の白湯を飲んでいる状態になるのだと思います。

見知らぬ土地で快適に過ごしたかったら

土地の暮らしに即してみるのが いちばん良いのかもしれません。

・・・ただし・・・やはりわたしは

ファンシーなバラのお城に住みたいほうの人間ですから

中国の文化に親しみながらも

ロクシタンのクリームをこっそり首筋に刷り込んだりしています。

高級感のあるヨーロッパの甘い香りです。

そういう ちょっとした贅沢が つなぎとめてくれる全体があるのです。

・・・そう やっぱり これも ほんのちょっとしたこと。

部分的なこと。

わたしたちは 部分に生きて

部分の総和は 太陽と月にゆだねましょう。

ここに来てからのたくさんの印象や感動が

なんらかの表現を待っています。

その部分 部分を 少しずつカタチにしてゆこうと思います。

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