天津限定マグカップ ビルの15階からの転落など。
日本に帰りたくない病である。
だけれど ビザの期限が近づいているので
そろそろ日本に帰らなければならない・・・
3日に1回くらいは納豆が恋しくなるし
東アジア=中国 と解釈している中国在住の西洋人には
「中国と日本は全くの別世界で
日本のほうが だんぜん洗練されてて 住みやすいから
ぜったい日本には行ってみるべきだ!!」
と公言しているのに
「我不是中国人 我是日本人」
(中国人ではありません 日本人です。)
と、言うたびに なんだか誇らしい気分になったりしているのに
それでも なぜだか
祖国日本に帰らなければならないと思うと
少し気が滅入ってしまう。
「お別れパーティーのメインディッシュは何にしようか?
カエル料理とかはどう?」
すっかりたまり場のようになっているスターバックスで
友だちが そう言うのに苦笑していると
カウンターのあたりから 日本語が聞こえきた。
「うわぁー。あったぁー。よかったぁー。
もうーっ。 ほんとー。 よかったよねぇー。」
フワフワのスカートをはいた 日本人の女の子2人の会話である。
どうやら 天津のロゴ入りのスターバックスのカップをみつけたのに感動しているらしいのだけれど
わたしは 先日 すられたアイフォンを 偶然道の真ん中で見つけたとしても
ここまでのドラマティックな反応はできないだろうと思う。
「たかが コーヒーカップに 80元もかけるなんて・・・」
と冷めた目で彼女らを見る。
すっかり 意地悪い人間になっている。
すっかり 無機質な価値観の持ち主になっている。
すっかり 中国モードなのだ。
今日は なんとか 中国に残ろうという悪あがきで
中国での求職活動をしていた。
と言っても ワードで中国の履歴書「簡歴」作成をしていたくらいの地味なものなのだけれど。
この「簡歴」は日本の履歴書とも 英語で書くレジュメとも全くテンションが違う。
風潮的に見て 趣味の範囲の資格だとか 長所 短所などの自己評価などは
面倒くさがられてしまうので 省いたほうが良さそうだし
英語レジュメでの重要なポイントとなる Objective(達成すべき目標)のようなものも
とくに問われない。
氏名 年齢 住所 学歴 それから 月にいくら欲しい。
というシンプルな内容プラス 顔写真でOKのようだ。
ちなみに顔写真は大変重要らしくフォトショップでの修正は常識。
これだけ人口が多い国では、形而上のもの、たとえば人の感性や
将来果たされるべき夢などは
どうでも良いのかもしれない。
そういえば 先日 怖れていた事が起きた。
ジムの帰りに工事中のマンションの前を歩いていたら
突風が吹き 作業中の建物を目隠しするための
2メートル四方の金属製のパネルが バリバリという音とともに崩れたのだ
そしてその巨大な刃物は わたしのすぐ隣にいた 中年女性の左腕を直撃
あっという間に彼女の肩から下は血まみれになった。
わたしだったら気を失ってしまいそうなところだけれど
その女性はさすが中国人 片方の手で出血を抑えつつ
ギャンギャン(と聞こえる)叫んで作業員たちにつかみかかっている。
ところが その作業員たちの反応と言ったら
「別担心・・・別担心・・・」
と笑っているだけ。
日本だったら とっくに 誰かが救急車を呼んで
その救急車が到着するまでのところで
すでに責任の所在が確定していそうなところなのだけど・・・。
中国では全くノリが違うのだ。
「別担心じゃないよ・・・。まったく。」
と思いながら わたしは ひとまず この危険すぎる工事現場を
駆け足で後にした。
このひたすらに人口の多い国では
別担心(心配いらない)の守備範囲が広い。
正直 広すぎると思う。
先ほどまでカウンターにいた 女の子2人は
抹茶フラペーチーノを 片手ではなく 両手で大切に抱えながら
スタバ内を うろうろ歩きながら 真剣にどの席に座るべきかを考えている。
そういう姿は なんだか 本当に 幸せそうで キラキラしていて
「 やっぱり 日本人が1番!! 日本人がいちばん可愛い!!!」
と思わせるところがある。
「カエルがダメなら アヒルの頭料理は?」
そう言いながらアメリカ人のエリックは
なんだか もったりとした 鈍い笑い声をあげる。
エリックは中国にもう4年くらい住んでいて
中国語はもちろんペラペラ。
なのだけれど 特別、賢そうなそぶりを見せない・・・というか
まるで 薬物に犯されたみたいな だらっとした目つきをしている。
エリックのその目を見るたびに わたしは
「天津の空気は 大丈夫なのだろうか・・・
変な化学物質が混じったりしていないのだろうか」
と不安になってしまう。
わたしは天津に来て一週間目にアイフォンを盗まれた。
今思ってみると その時こそまさに 中国スイッチが入った瞬間で
「ここは平和な日本ではないんだ」
と自覚する事ができた瞬間なのだと思う。
天津の洗礼みたいなものだったのかもしれない。
わたしの洗礼がそれだったとすると
エリックが受けた洗礼は その100倍ドラマティックだ。
彼は中国に来てひと月目くらいの時に
ビルの15階から 何者かによって突き落とされている。
その日エリックは バーで中国人と なんらかの口論をして
(どういった 口論なのかは だいたい予想がつく)
酔っ払ったままマンションに帰り そして 背後から襲ってきた
東洋人男性2人によって 窓から放り投げられたのだ。
ここからのストーリーは あまりにも 映画的で いまだにCGなしの映像では
想像できないのだけど
エリックは隣のマンションの壁に爪あをたてるような状態で
なんとか落下スピードをコントロールし
そして偶然そのマンションの1階の屋台のビニールテントの上に着地したために
それほど大怪我をしなかった・・・というか 死なずに済んだのだ。
「それで 犯人はつかまったの?」
とエリックに聞くと
「つかまるも何も 警察は 中国人がそんな事をするはずがないって言って
何の調査もしてくれなかったんだ。」
と 更に背後に脚本家がいるとしか思えない事件の顛末を教えてくれた。
そして 更におどろくのは
中国人にこの話をするたびに
彼らは口をそろえて
「もちろん。 中国人がそんな事をするわけない。」
と言うことだ。
・・・・後半に続く


Himeringoさん、はじめまして。
Himeringoさんは、「エクスプロア上海」の「よろず・・」に
投稿されたYukaringoさん、なんでしょうか・・・
だとしたら、あなたの意見に大いに賛成です。
私は今は上海に住んでいますが、
昔、84年ですが、天津の塘沽に3年弱住んでいました。
天津には月1回遊びに行きました。
おんぼろバスで2時間掛けて・・・
いつも起士林と言う店で中華っぽい西洋料理を食っていました。
では。
井上@打浦橋@上海 さま
そうです、エクスプロア上海に投稿したYukaringoです。
久々にブログをアップしようとしたところで、井上さまに
のコメントを読ませていただき、大変うれしいです。
ありがとうございます。
起士林というお店を見たことがある気がして仕方ない・・・
ちょっと 家のまわりをうろついて探してみますね。
わたしもこのまま、この騒がしい中国に住み着くことになりそうな予感です。
では。