色とりどりのエコ

5 月29

そもそも

世の中には「嘘」が多くて

「真実」はほんのわずか・・・。

ですから

世の中の

たいていの事を 

ひとまず懐疑的に見ておいて

間違いはない

と思っています。

そして 

だからこそ

「真実」というのは価値があって

見つけたときには

大事に両手で拾い上げるに

値するのだとも思います。

そんな怪しさいっぱいの世の中で 

とくべつ 

不可解さが際立っているのが

環境問題。

とくにエコという言葉はどうかなぁ・・・と思います。

例えば

リストラクチュアリング(再構成)という言葉が

「リストラ」と略されてから

何が起こったのか・・・

それは

人員削減をオサレに言っているくらいの

都合のよい意味合いに

変換されてしまって

その先にあったはずの

組織の再構築を問われなくなってしまった。

環境問題、やエコロジーという言葉を

ひっくるめて「エコ」と言われるようになって

何が起こったのか。

環境問題への取り組みが

新たな消費のスタイルになってしまった。

エコロジストがそもそも持っていた

反企業・反体制といった色彩は

グリーンの単色で塗りつぶされてしまった。

今や

エコという言葉を最も愛好しているのが

政府や企業です。

みんな一緒に

同じTシャツを着て

同じ笑顔で手を繋いでいるイメージ。

全部が全部ではないけれども

時々

それがまるで急速に肥大した怪物みたいに見えてくるのは

わたしだけかなぁ・・・。

・・・とまぁ、そんなことを 沸々と考えながら

在来線で4時間くらい・・・

島根の西の西

益田まで行ってきました。

「養老先生が語る

21世紀を森林(もり)の時代に」

という講演会を聞きに。

少し出遅れてしまい 

養老先生のお話を聞きそびれてしまいましたが

午前10時から午後4時まで

グラントワの大ホールで行われたシンポジウムの

午後の部のみ、参加させていただきました。

まったく未知の世界だった林業。

森林組合=人工林を管理する団体

というくらいの認識しかなかったわたしは

早速メモをとりながら

梶山恵司(ひさし)さんの

ケーススタディー

「日本林業に再生のチャンスが来ている」

に聞き入ります。

・・・ところがこのお話が 

無知なわたしにはついてゆけないくらい

速い。

スライドショーもどんどん過ぎ去ってゆく。

30分くらいの講演の中で書きとめることができた内容は

森林組合と企業との自由競争が成立しないこと

日本の林業機械がドイツなどの森林大国のものと比べて

30年ちかく遅れをとっていること

それから 

日本に専門的知識を有している

フォレスターが不足しているのだということ

そして 作業機械を入れる路網つくりが必要だということ

などでした。

近年の林業再生の理論的支柱と紹介されている方だけあって

論点が鋭く、そして 先ほども述べましたが

本当に話の展開が速いのです。

お話についてゆけない年配の方は

うとうと眠りの世界に入っておられました。

しかし、その電光石火の講義についてゆく気力のあるものにとっては

梶山さんのお話・・・というかパフォーマンスはとても有意義だったと思います。

なぜなら、梶山さんが今の日本の現状に本気で「怒って」おられたから。

それは

噴火するマグマのような真っ赤な怒りではなくて

冷え固まった火成岩のような

紫の怒り。

そして その次に講演をなさったのが

湯浅勲さんという

日吉町の森林組合のかた。

「難しいお話が続きましたので

・・・みなさん 指と指をクロスさせて 

ぐーっと 伸びをしましょう。

はい それをゆっくり右に倒してー

次は 左ーっ」

寝ていたおじいさんたちは

突然の のびのび体操 の指示に

催眠術にかけられたようになって

ゆらゆら 右ーっ 左ーっ と揺れていました。

その湯浅さんという方は

ほとんど機能しなくなってしまっていた

日吉町の森林組合を

ものの10年で甦らせるという快挙を成し遂げた方なのだそうです。

・・・と・・・この方のお話も非常に展開が速い・・・というか軽快。

どうやら 1人あたりに割かれている時間が30分と大変短く

みなさん 少し急ぎ足で話を進めなければならないようです。

わたしのノートの上にはミミズのような文字が連なってゆきます。

今、森林組合がやらなければならないこと

・現状を知る

・何日までに目標を達成するのかという日付設定

・そこに到達するまでのロードマップを作る。

・・・これは 森の仕事以外でも当てはまりますね。

そして してはならないこと

・皆伐

・むやみな 林道・作業道開設

・出来ない理由を述べて 具体的な行動を起こさないこと

・・・最後のひとつは 

なんとも身につまされます。

湯浅さんは民間企業から

森林組合に転職して その現状を目の当たりにされ

「大正時代やないか・・・」

と驚愕・・・組合の組織改革に着手されたのだそうです。

関西弁でさらりと進んでゆく講義の中にもまた

若干 現状に呆れかえっているような

蛍光灯のように発熱しない・・・だけれど力強い

白い怒りのようなものを感じました。

エコというのが

グリーン1色ではなくて

その日 壇上から放たれていた

怒りの色合いのように

ひとそれぞれの色調で

形成されていると良いです。

怒りの感情というのは

不調和音のようなものですから

社会から疎まれます。

だけれど この不調和音がなければ

社会は変わらない。

ホッキョクグマの映像を見て

シンパシーに流されるまま

グリーン1色の世界に身を隠して

エコでロハス快適な生活を送るよりも

あんなふうに

気持ちよく怒っているほうが

ずっと楽しい人生かも・・・。

もしも

みんなが それぞれの 

怒りを昇華させることができたなら

世界はもっと 

色とりどりで平和な時代がやってくると思います。

養老先生には会えなかったけれど

カッコイイ大人たちの怒りを感じることができた

すばらしいシンポジウムでした。

Thanks!!

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