チベット医療センター

8 月20

7月の末・・・

早朝から夜ふけまで

フィジカルにもメンタルにもスピリチュアルにも

なにかと動きのあるカトマンズ生活。

疲れがたまってきたのか

ちょっぴり体の重みを感じる日々。

残りわずかのカトマンズ生活を楽しむためにも体のケアは万全に!

という事で

「クンフェン チベットメディカルセンター」に検診に行ってきました。

鍼治療なども、チベットが起源という説があったりするくらいなので

鍼灸大好きの私は興味津々!

本で読んだ情報によると

チベット医療は 仏教哲学をベースに

シャーマニズムやアーユルベーダなども取り入れた医療なのだそうです。

検診はおもに脈診によって行われるとの事。

「脈だけで、体全体の事がわかるのかなぁ?」

なんて思いつつ

受付の後ろの棚にずらりと並ぶ 薬ビンを眺めていると

ジリリリンと懐かしい響きのベルが鳴って私の番がきました。

診察室には、鍼灸院などでよく目にする経絡図の他

ダライラマの写真や仏画などが飾られていて

いわゆるクリニックとは異なる雰囲気。

もしかして先生は、白髪&長いひげの長老?と思いきや

現れたのは、白衣に身を包んだ、なんだか眠そうに見える中年のチベット人でし
た。

私の名前、年齢、症状などを聞きながら

見たこともない文字(チベット語ともまた違うようです)でカルテを作ってゆき
ます。

そして、おもむろに私の右腕をとって、脈診を始めました。

脈をとっているというよりも 

脈と何やら相談している様子の先生。

私は、診察室の空気を響かせているに違いない

先生と脈との会話を盗み聞こうとしますが

私の周りには、ひたすらに沈黙が流れるばかり・・・。

診察台の向こうでダライラマが笑顔で手をあわせてる。

かなり長い時が過ぎ・・・

先生は

「体に 風 の要素が 溜まっているようです。

パン ヨーグルト などの発酵食品 チリ 酸味のあるもの バナナ ケーキな
どを食べないで

お湯にお塩をひとつまみ入れたものを飲み続けてください。

後で薬を1か月分お渡します。

・・・・それから 一切のネガティブな考えをしない事!!」

そう言って、またカルテに謎の文字をつづり始めました。

風の要素かぁ・・・。

「感情の激しい子なので、体のほうとしては本当に困ります。

竜巻が体を引き裂いて飛び出そうとしているのに、それも見てみぬふりで・・・

私の体は先生に、そんな訴えをしていたのかも・・・。

本当はもっとお話を聞きたかったのだけれど

私の後に患者さんの列ができていたのと

久々に見る一重まぶたがそんな印象にしているのか

先生があまりにも眠そうに見えたので

ひとまず、今回は好奇心をぐっとこらえて診察室を後にしました。

No Chili No Banana No Negativity….

覚えている限りの禁忌を手帳にリストアップしながら お薬を待ちます。

このメディカルセンターで使われている薬草はすべて

ネパールとチベットの国境近く「ニャラム」周辺の野草を使っているのだそうで
す。

私がいただいた薬は

朝食前

昼食後(2種類))

5時以降

夕食前

8日後にのむ薬

の6種類。

ビー球くらいの大きさの丸薬を噛んでから白湯で飲み込みます。

・・・このチベット医療、診察は無料で、支払うのは薬代のみです。

体の調子がすぐれないとき、漠然とした痛みや重みを抱えている時

ふと訪れて相談できる場所がある。

それだけで、なんて心強いのでしょう。

「今すぐ治してください」

と駆け込む場所ではなくて

私の体と先生で 謎の言葉でもってコンタクトをとりながら

「どうしたら良くなってゆくでしょう?」

と話し合う場所。

1ヶ月経っても改善しない場合は 連絡を下さいね。

日本に薬を送ります。

そう言ってくださった先生。

「安心感」

謎の文字のカルテと共にもらった、大切な大切なお土産。

家に帰るとさっそく 

ずっしりと重く感じる丸薬を手にとります。

体の中の風がやんで

波が静まり

湖面に写る月を眺める事ができますように。

そう祈って噛み締めた丸薬は

冷や汗が出るほどの苦味でした。

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