ポプラの木の葉
おはようございます。
今日の天津は気持ちよい青空が広がっています。
こういう日は 太陽をいっぱい感じた後で
並木道のポプラの木にじっと目を凝らします。
木の葉の揺れを見るのです。
あまりにも光の反射が激しいときには要注意。
日本ならば死者や負傷者の数がニュースにのぼるほどの
強風が吹き荒れているのです。
これほどに風の強い場所に来た事がありません。
これを誰かのせいにするならば
大規模な森林伐採をした人々であり
中国に木材を発注した人々であり
それならば きっと 中国に木材を発注せざるをえない状況にした
森林組合にも責任があり
そしてそこには現状に目を向けない人々の
イノセントな怠慢さも手伝っているのかもしれません。
だけれど この街の人々は 誰が悪いだなんて
全く興味がないふうに
偽ブランドのセレブ風サングラスで視界を確保して
ただひたすらに 自分の行くべき方向に歩みを進めているように見えます。
この街に不慣れなわたしにとって
このような強風の日の散歩はひどく心細いものです。
天津では今日も明日も そして おそらく 来年も 再来年も 数年後も
モダンな高層マンションやビルが建設されているのですが
その建設の足場となっているのは
大変 無垢な人々の創作であるに違いない
丸太を組み合わせて針金でぐるぐる巻きにしたようなものであり
絶妙なバランスで 空高くにそびえ
風が吹くたびに 音を立てて しなり わたしを脅かすからです。
こちらに来て何度か わたしの住んでいるマンションが
爆発音とともに崩れてゆく夢を見ました。
その夢の中で
わたしは落ちてくる天井の下敷きになっています。
だけれど 天井は思ったより軽く よくよく見ると その天井を作っている資材は
発泡スチロールの周りをセメントで薄くコーティングしたものであった事に気がつきます。
時折 道端で見かけるその資材は天井に使われていたのか・・・と
わたしは この世界に残した謎のうちの1つが解けたことに満足すると共に
どうやら これから天国に行くのだな と快く死を受け入れたりしています。
あちらこちらで建設中のマンションは
深夜にも工事の手を休める事がないので
おそらく その騒音が
わたしの夢をそのように形作ってしまうのかもしれません。
建設中のマンションの近くで見かける
発泡スチロールをセメントで薄くコーティングした資材。
夢の中では それは 天井の資材として使われていますが
本当のところは 何に使われているのかは いまだに謎で
実際のところ 知るのが少し怖いようでもあります。
そして無関心でいる事のほうが
スマートであるように思えたりするのです。
創造 と破壊 は いつも隣り合わせ。
建設が進むビルと道をひとつ挟んだところでは ビルの撤回工事が行われていたりもします。
「もしも ここに エイリアンが来たら どう思うだろう。
人類が地面を離れて
あんなふうに宙に浮いたセルの中で生活しているなんて
信じられるんだろうか・・・」
半壊状態のまま 放置され、室内が露になっているビルの前で
アメリカ人はそう言って
新しい冗談を思いついたようなふうに
目を輝かせて笑いました。
人間のたどっている道は
どこか 異様であり そして 迷走しているようでもあり
もしかしたら ほんとうに それは
人々の無関心と怠慢さに丹を発した
新しい冗談のようなものなのかもしれません。
中国という国は いつでも わたしを混乱させます。
だけれど ここで 起こっていることと
日本で起こっていること
世界で起こっていること
には 大きな差はなく
ただ
プレゼンテーションのされかたが違うだけ
マークアップのされかたが違うだけ
なのかもしれません。
今日のポプラの木の葉はそれほど揺れていないようだから
これから 散歩がてらヨガ教室に行ってきます。
偽モノのグッチのサングラスで視界を確保しながら。
この街でこの本物のグッチのサングラスをかけるのは
なんだか少し馬鹿げているように思えてしまいます。
なぜなら
何が本物で 何が偽物かなんて
この街の人々は全く興味がないから。













